依存症および大人の発達障害を専門とする静岡市の心療内科・精神科

依存症・大人の発達障害専門
マリアの丘クリニック

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スマホ依存治療の最前線

iPhoneのスクリーンタイムを用いたスマホ依存治療

従来、スマホ依存治療として、推奨されてきたのは、依存症者にスマホ使用日記や行動記録日記をつけてもらうことです。しかし、筆者の経験からいうと、スマホ依存の方が日々スマホの使用状況を日記につけるのはほとんど不可能です。初診時にそのような指導をしたとしても、次の受診時に日々のスマホ使用状況をしっかり日記に書いて持ってきた方は今まで一人もいません。

しかし、その状況を一変させる出来事が2018年9月に起こりました。アップル社がスマホ依存対策として、新たなOS、iOS12をリリースしたのです。

iPhone(iPhone6以降)を持っている方は、無料でOSを最新バージョンにアップデートすることができ、それには以下に示すようなスクリーンタイムという機能が付いているのです。

iPhoneの設定画面(下図上段)から、スクリーンタイムをタップすると、下図中段のような画面が現れます。

それを見ると、過去1週間のスマホ使用状況が一目瞭然です。1日の総使用時間だけでなく、何に何時間使っているか分かるのです。スマホ依存症の方に週に1回、スクリーンタイムのスクリーンショットを撮ってもらい、2週間に1回の通院ならば、それを医師が診察時に2枚見るだけで、スマホ使用状況が確認できるのです。それにより、実態に即したより細かなアドバイスが可能となります。

また、iOS12が優れているのは、下図下段のようなタイマー機能がついていることです。スマホのアプリ毎に、事前に定めた時間帯しか使用できないようにすることが可能ですし、その時間帯の中でも、使用時間の上限を決めることが可能なのです。その設定にはパスワードが必要なのですが、それを本人に知らせず、親や医師だけが知っている状況にすれば、スマホ使用を物理的に管理することが可能となります。

因みに、iOS12が出てまもなく、スマホ依存のひとが次のような抜け道を見出しました。

iPhoneの「日付と時刻」設定画面で自動設定をオフにして、手動で時刻をアプリの休止時間外に設定してしまうのです。アップル社がそれに気付き、iOS上で対策を施したのは、2018年12月でした。したがって、現在は、iPhoneのスクリーンタイムは最新バージョンにアップデートしてあれば、スマホ依存対策としてかなり有効だと思われます。(しかし、今後新たな抜け道が考え出される可能性は十分にあります)

 

スマホ依存と発達障害

「ゲーム障害」という疾患名が、ICD-11(2022年施行予定)に追加されることが昨年決まりました。しかし、それはあくまでゲームに限った疾患名です。

その概念にスマホゲーム依存は含まれますが、スマホ依存は、SNSやLine、YouTubeなどの長時間使用も含まれるため、はるかに広い概念であり、大分意味合いが違います。そのため、スマホ依存が医学的に依存症といえるかどうか現時点では微妙ですが、スマホの長時間使用者に発達障害のひとが相当多いことは確かです。

ADHD(注意欠陥多動性障害)だけでなく、ASD(自閉症スペクトラム障害)の方にも多くみられます。ASDの特性の一つはこだわりや反復性であるため、長時間ゲームをしたり、繰り返しYouTubeを見ることにつながりやすいといえます。また、ASDのため現実世界でうまく対人関係を築くことができない人が、SNSなどのバーチャルな世界にはまっていくのは必然です。

その場合は、スマホ依存だけに治療のフォーカスをあてても当然うまくいきません。スマホ依存は、氷山の一角ととらえて、ベースにある発達障害全体を見据えて治療を行う必要があります。

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